レールの旅 JR弥彦線
レールの旅 JR弥彦線
米どころ越後平野に、
標高586mの越後一ノ宮とし
て昔から信仰され続けてき
た弥彦山がずっしりとそび
え立つ。山を仰ぐと霊験あ
らたかな気持になれる。
JR弥彦線は東三条を起
点に平野を横断し、山のふ
もとの弥彦神社までを結ぶ、
全長17.4kmの短い路線だ。
短いながらも車窓からの眺め
は変化に富む。市街地、水
田、山の中、河の上、変化
無限の景色を見ながら信仰
の山へと続く弥彦線を取材
した。
東三条を出た列車は二
年前まで人家の間を縫うよ
うに15km/hで歩いていた
が、高架ができ50km/hで走
れるようになった。家々の屋
根をしばらく見る。県内で市
街地を高架で抜けるのはここ
だけで、都会的な気分だ。高
架を降り、燕三条に入る。平
野はここから、水田が一面に
広がる。今までの住宅密集は
何だったんだろう?乎野の中、
ショートレールの軽快な音と
共に列車は駆ける。建物の障
害物がなくなったとたん、雄
大な弥彦山が目前に現れる。
線路は田舎の集落を結ぶため
左右にカーブする。その度ご
とに山の位置はずれ、車内の
どの窓からでも見えるのだ。)
列車は西燕を過ぎた。この
後線路は山に向がい、一直線
に延びている。ここが弥彦線
のメインだ。平らな水田の先
の巨大な山。みるみるうちに
近づいて木々の一本一本まで
が見える。夕暮れはさらに良
い。影が長くなり、山の後ろ
に日が沈み、赤く染まった平
野に、山の影ができるのだ。
時刻は18時20分。平野に太陽
が傾き、橙と水田の緑のコン
トラストが美しく見える。JR
弥彦線は弥彦山に向か
い、真っすぐに走り抜
けた。(=写真、西燕
-吉田間。カラーで見
せられないのが残念。)
列車は吉田に着いた。
すれ違いのため10分待
つ。いつしかあたりは
薄暗くなつてきた。「き
れいな夕日だった。」
思わず言葉がこぼれる。
明日の天気は云々など
考えも及ばない、自然の美
しさを見ることができた。
吉田を過ぎ、もはや山は
カメラに収まらない。周辺
は闇に包まれた。コトコト
ゆっくり走り、終点弥彦に
着く。レールはそこで切れ、
かわりに登山道が山頂めざ
して斜面を這っていた。
(モリアオガエル)
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