あらかると
〜ハッピーエンドの裏側〜

 白雪姫、シンデレラ、ヘンゼルとグレーテル、誰もが知っている有名なグリム童話だ。時は一九世紀の初め、ドイツのグリム兄弟によって出版された。版を重ねるごとに手を加え、現代日本で最も多く読まれているのは第七版・・・のはずだったのだが、最近流行したグリム童話は、初版に基づいた残酷なものだ。そもそもグリム兄弟が泣く泣く手を加えた理由は、あまりにも残酷で加えて性的描写も多く数々の批判が寄せられたからだ。一度、初版を読んだことがあればおのずとわかるだろうが、先に挙げた三つの童話も広く知られているものとはかけ離れた世界である。
 ガラスの靴で再会した王子とシンデレラの結婚式、どこからか飛んできたハトが、継母達の両目をえぐっていく。ハッピーエンドの裏側だ。この話よりすごいのが白雪姫である。白雪姫は結婚式で自分の実母を殺している。さらに王子は死体愛好家の危ない人だったりする。そうでもなければ、死体の柩なんて好きこのんで持ち帰るわけもなかろうが。ヘンゼルとグレーテルで子供を誘拐していたのは魔女ではなく、ロリコンでサドの男爵だ。それも子供は男の子に限って。・・・恐ろしや。
 さて、世紀末で流行した初版グリム童話。これを電車の中でガングロ(死語?)茶髪の高校生が読んでいた、なんて話もあるから本当に流行モノの影響力はすごい。普段ケータイやPHSなど小物がじゃらじゃら、教科書はおろか、本すら入ってないカバンに、グリム童話が顔を出す。一体どこがそんなに女子高生にうけたのかさだかではない。けれど、売れたことは事実で知名度も上がったのも事実。

 時は世紀末。ノストラダムスの予言も波紋を描いたが、結局はずれて何事もなかった。数年後の、残酷な初版グリム童話の行方は。

(えりやん)

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